今回は指向を変えて、抗がん剤の副作用の事を書きます。
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抗がん剤の副作用
抗がん剤の治療には様々な副作用があります。
抗がん剤に影響される悩みが脱毛です。
脱毛
中でも辛い副作用の1つが、髪の毛などの毛が抜けてしまう脱毛です。
この脱毛がある為に、この抗がん剤治療を躊躇う患者さんも、実は少なくないんですね。
その脱毛を抑える装置が、去年国内で初めて使用することが承認されました。
そこで今日は抗がん剤と、脱毛を抑える装置についてお話します。
まず抗がん剤の副作用についてここから話しますね。
まず古いデータで申し訳けありません。
抗がん剤の苦痛度アンケート
2009年に国立がん研究センター中央病院で実施されたのです。
抗がん剤の治療を受けてる患者さん638人を対象にアンケートが行われました。
抗がん剤による副作用の苦痛度ランキング、こう言うアンケート調査を実施したのです。
それによりますと、吐き気・痺れ・全身の痛み・・ダルさなどが、苦痛の上位に来ているのです。
それは特に女性に限りますと、第一位は頭髪の脱毛だったのです。
- 1位 脱毛
- 2位 吐き気
- 3位 痺れ
- 4位 全身の痛み
- 5位 ダルさ

そうですね!やっぱりね!女性にとっては非常に問題が大きいですもんね!
また2015年に乳がんの方と対象にした調査があります。
この別の調査でも、脱毛が抗がん剤の治療中の苦痛の第一位なんです。
苦痛だったと答えてる人は、90%を超えてました。
なぜ副作用で脱毛が起こるのか?
そんな脱毛なんですけど、なぜ抗がん剤の副作用で脱毛が起こるのか?
ここが重要なんです。
活発な細胞
抗がん剤は、分裂が活発な細胞に、強く影響するのです。
体には、色んな細胞があります。
その中で毛を作る細胞と言うのは、細胞分裂が非常に活発なんです。
その為、抗がん剤の影響を受けやすくて、結果、脱毛が起こります。

抗がん剤って言うのは色んな種類がありますが、どの抗がん剤治療でも髪の毛が抜けてしまうのでしょうか??
そこなんです。
抗がん剤の治療を行うと、必ず全ての髪の毛が抜けてしまうと思ってる人も多いのです。
しかし必ずしも、髪の毛が抜けてしまうわけではないのです。
脱毛は抗がん剤の投与を始めてから、だいたい2週間から3週間で毛が抜け始めます。
そして症状が出始めてから一か月程度かけて脱毛が進行してしまいます。
ただ皆さんが思ってる通りに、脱毛が起こる抗がん剤、それほど影響しない抗がん剤、こういう風に別々あります。
同じ抗がん剤でも脱毛、発毛には人それぞれで個人差があります。
治療が終わったら髪の毛は生える?
また抗がん剤の副作用は、一時的なものなのです。
治療が終わって半年くらい、早い人では2か月から4か月くらい経つと、また髪の毛が生えてきます。
とは言っても、その時に、紙質が変化する事も多いのです。
その長さなのですが、ショートくらいの長さまで回復するには、だいたい半年から1年程度かかります。
こちらも個人差があって抗がん剤治療を終えた人のうち6割の人が2年で80%くらい回復しするのです。
しかし残念な事に、約5%の患者さんは5年が経過しても、30%以下の回復だったと言う、このような報告もあります。
ここが、中々大変な所なのです!
本当に髪の毛が生えてこない!と言う患者さんもいるのです。
患者さんにとって中々、髪が生えてこないと言う事は、かなりショックな事なんです。
乳がん患者さんでは脱毛をしたくないと言う想いから、8%の人が治療効果の低い抗がん剤を選択していると言う、このような報告があります。
この8%の患者さんにとっては、治療の効果以上に脱毛を逃れる事を、優先されるほどなのです。
やはり脱毛が大きな問題なのです。
これを考えると、その人の命以上の優先度とも言えます。
こうした事を受けて病院などでは、脱毛をする前から心理的ショックを和らげる案内が、提案されるケースも増えてきてます。
例えば、事前に髪の毛を短くしておくと言う事なんです。
特に長い髪の毛が大量にバサッと抜けますと、抜けたことによる精神的ストレスが強いのです。
髪を洗った時に抜けた毛が縺れて絡まって、解れなくなってしまう事もあるのです。
また男性の場合は、事前に髪の毛を剃っておくと、言う事でイライラを防いでる声も多く聞きます。
一方、これは有名なのですが、脱毛のケアとして代表的な物には「ウイック」があります。
このウイックも、最近では多くバリエーションが出てきてるのです。
- 化学繊維などで人口に作られる人口毛
- 人の髪を100%使用した人毛
- 人口毛と人毛を合わせて作る物
- 既製品
- セミオーダー
- フルオーダー
さまざまな商品が、出てるのです。
コールドキャップ療法の PAXMAN社

Paxman社(Paxman Coolers ltd.:パックスマン・クラーズ・リミテッド) 英国 公式webサイト
こうした中で、出てきたのが脱毛を抑制する装置なんです。


パックスマン・スカルプ・クーリング・システム
この装置の名前は、パックスマン・スカルプ・クーリング・システムと言います。
これは何かと言ったら、イギリスの会社が開発した装置なんです。
2019年の3月に、日本国内で初めて医療機器として承認されました。
そして昨年の9月から、順次医療機関に導入され始めてます。
販売元はセンチュリーメディカル(株)
抗がん剤による治療中と、その前後に頭皮を冷却させることで、脱毛を抑えると言う医療機器なのです。
対象となる患者さんは、固形癌と言われる癌を患った患者さんです。
固形癌は臓器や組織などで塊を作る癌、と言う事です。
固形癌で有名なのは、胃がん・肺がん・子宮がん・乳がん・大腸がん・肝がん、このように、後は筋肉にできた骨にできた癌の事を言います。
- 胃がん
- 肺がん
- 子宮がん
- 乳がん
- 大腸がん
- 肝がん
簡単に言ったら白血病以外の血液がん以外は、ほとんど対象になると言う事です。
この治療を受ける時の使い方なのですが、抗がん剤の治療を受ける患者さんは専用のキャップを被ります


抗がん剤を投与する30分前から抗がん剤を投与してる最中、そして、終わって90分以上、キャップにマイナス4度の冷却液を流して頭皮を冷やしていきます。
脱毛を抑える仕組み
それで何故、脱毛が抑えられるのかと言うと、仕組みがあります。
先ほど、上記で脱毛の事を書いたのですが細胞分列が非常に活発な頭皮の細胞にダメージを与える事によって起こります。
毛細血管が収縮して、抗がん剤を届きにくくする
どっかの医者
そして頭皮を冷やして血流を抑える事によって抗がん剤が髪の毛を作る場所に、あまり届かなくなると言う事なんです。
こういうシステムになります。


頭皮を冷却する事によって、抗がん剤の影響が少なくなるって事なんですね。
脱毛しない効果は?
それは、どのくらい効果があるのでしょうか?
実際、日本における臨床試験では、この製品を使用した患者さんの3割くらいは、結果として医療用ウイックが不要である。
臨床試験を行った医師が、判定したのです。
どういう判定かと言ったら、髪の毛が十分ある・抜けてないって事なんです。
しかし、結果が3割、使った人の結果が3割なんです。
なので、さらに研究を進めて行って、7割、8割に、高い有効性にアップしていくって事なんです。
期待できるものにして欲しいですね。


これを使うと3割の人が、髪の毛が抜けないって事なんですか?
はい・・・・・まだ3割なのです。
保険適用外
この治療って言うのは残念ながら、保険適用ではないって事なんです。
それも医療機器なので、お決まりの高額なのです。
脱毛を恐れるあまり、抗がん剤治療を避けようとしている人がいるって事を考えてしまいます。
こうした副作用に対応できる方法も、早く保険適用にして助けて欲しいって思うのです。
保険適用にしないと、いくらくらいかかるかと言うとキャップは9万円位します。
これは個人が買わないといけなく、医療で使いますからね。
この辺のお金が掛かると言う事です。
治療そのものも、自由診療との合併になります。
保険適用にならないと上手くいかないと言う事になるので、早く保険適用にしようと言う動きが盛んに行われてます。


まあ、3割ではまだ効果が薄いんですね。
期待度が低いので・・・・
しかし、まず5割は超えて欲しいって事になりますね
まだ期待ができるようになるまで、先が長いかなって言う頭髪の毛が抜けるのを防ぐ話でした。
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